「紀土(きっど)」は和歌山県海南市のお酒です。
「紀土(KID)」と命名したのは・・
紀州の「紀」と「土」と書いて“キッド”と読ませる平和酒造の代表銘柄。
なんとチャーミングな名前でしょう!
平和酒造は和歌山県、紀州の地にあります。樹木が多くその昔「木の国」と言われるほどに自然豊かな土地柄です。
“木の国”がやがて「紀ノ國」となり和歌山県一体を「紀州」と呼ぶようになります。その紀州の風土、清らかな水のもとに「紀土‐KID(キッド)」が生まれました。
「KID(キッド)」とは英語で“子供”という意味。
お酒をわが子のように育てていきたい、若い飲み手を育てていきたいという思いが込められています。
そのため漢字の音の通りに読ませるのではなく、英語のキッドにかけて二つの意味を持たせたわけですね。
また紀土(和表記)とKID(アルファベット表記)どちらでも読めるようにしたのは「日本食を饗する和のシーン、白いテーブルクロスがかかっている洋食のシーン、そのどちらにも合うおしゃれなイメージにしたかった(山本社長)」からだそうです。
英語には子供を表すchildという言葉があります。
kidとchildの一番の違いは“kid”が日常会話で使うのに対して、“child”は改まった場面で使います。
またkidは話し手と聞き手の両方が知っている子供を指すことが多いのです。
その言葉の通り、「紀土(KID)」もリーズナブルな価格で親しみやすいお酒です。
「紀土」のラベルカラーについて
白ラベル:「紀土 純米酒」
まずは定番ということで白。平和酒造の蔵人さんたちも毎日飲んでいるそうです。穏やかな香りで、すっきりとしたキレのあるタイプ。幅広い料理に合わせやすい、飲み飽きない食中酒です。
赤ラベル:「紀土 純米吟醸」
白の純米酒と対照的な赤。優しくて華やかな吟醸香があり、冷酒、常温、燗とオールマイティに楽しめます。
ピンクラベル:「紀土 純米大吟醸」
フルーティで飲みやすく、爽やかな味わいです。幅広い層に飲んでほしい、また初めて紀土を飲む方にもおすすめの一品です。純米大吟醸のこのスペックなのに値段も税込1,540円(4合)とリーズナブル。ラベルの色が華やかです。
白ラベル:「紀土 純米酒」
まずは定番ということで白。平和酒造の蔵人さんたちも毎日飲んでいるそうです。穏やかな香りで、すっきりとしたキレのあるタイプ。幅広い料理に合わせやすい、飲み飽きない食中酒です。
赤ラベル:「紀土 純米吟醸」
白の純米酒と対照的な赤。優しくて華やかな吟醸香があり、冷酒、常温、燗とオールマイティに楽しめます。
ピンクラベル:「紀土 純米大吟醸」
フルーティで飲みやすく、爽やかな味わいです。幅広い層に飲んでほしい、また初めて紀土を飲む方にもおすすめの一品です。純米大吟醸のこのスペックなのに値段も税込1,540円(4合)とリーズナブル。ラベルの色が華やかです。
書体へのこだわり
ラベルのデザイナーから提案された「紀土」という書体。
それに山本社長自らが手を加えてほぼ全面的にデザインし直しました。
「のびやかさを出したかった」という社長ご自身の思いが確かに感じられます。
紀土「無量山」シリーズの“むりょうざん”はどこから?
「無量山」は「紀土」のハイスペックシリーズ。
紀土が比較的リーズナブルなラインアップを意図しているのに対し、無量山シリーズは飲み手に喜んでもらうだけでなく、自分たちが日本一美味しいと確信する酒を生み出したいという思いから立ち上げたものです。
平和酒造は昭和三年の創業ですが、その昔は仏寺でした。「無量山」はその当時の山号寺号注1である「無量山超願寺」からその名前を取りました。
“無量”とは感慨無量という言葉に使われるように“はかることができないさま”という意味があります。
それに“願いを超える”と書いた超願寺。今は山もお寺もなくなっていますが注2、そのはかり知れない願いがこの銘柄に息づいているのでしょう。
注1:山号とは、仏教の寺院の名称の前に冠する称号。多くの寺院は山の中に建てられたことから、その山の名前を寺院の名前の前につけていた。
注2:和歌山県海南市役所産業振興課の調べによる。
平和酒造について
昭和初期に創業した平和酒造は時代の波に翻弄され、何度も廃業の危機を乗り越えてきました。
第二次世界大戦中には休業を強いられ、戦後も酒造りを許されませんでした。
当時の二代目の当主・山本保正氏が国会にまで足を運び、陳情演説を行ったことでようやく酒造りの再開にこぎつけたのです。
この時の“平和な時代に酒造りをする”という想いが酒蔵の名前になったそうです。
何とも重みのある、そしてステキなお名前ですね。
取材協力:平和酒造(株)代表取締役社長 山本典正氏
取材日:2021年9月8日
画像提供:平和酒造(株)
取材後記:メディアに頻繁に登場する山本社長。今回の取材には社長自らが応じて下さいました。ZOOMでお会いしてみると、第一印象はミュージシャンのよう。若者のハートをつかむ感覚を持っていて、方向性にブレがない、そして何より自信に溢れている・・そんな印象でした。人気銘柄を世に送り出している理由がわかるお話しぶりでした。
また、取材をアレンジして下さった西岡葉月様にも感謝です。山本社長が「細かいことは西岡の方が詳しいです」とおっしゃっていたように、取材後の細かいご対応にも随分と助けられました。
お二人ともお忙しい中、ありがとうございました。